おかげさまで聖霊降臨節第15主日礼拝をリモート形式にてお献げできました。一昨日は重陽の節句、昨日は中秋の名月と、秋の深まりをあらためて感じる候となりました。教会への道すがら葛の花が咲いていました。
他方でいよいよ本格的に台風のシーズンを迎えています。一般論ですが東日本は地震、西日本は水害に見舞われてきたと言われています。今年もまたこのような自然災害にコロナ禍が加わっています。神さまがみなさまの暮らしを祝福し守ってくださるよう祈ります。
知能に重い障碍をもつこどもたちの暮らす「止揚学園」の創立者である福井達雨先生が9月6日(火)、九十年の地上の生涯を全うされて天に召されました。こどもたちのために誰から何を言われても臆せず、世にある働きを貫いたご生涯でした。「ぼくはなあ、これはなあ、おかしいと思うねんけどなあ」と、こどもたちが行政の支援から後回しにされる状況を疑問視し、時には徹底的に闘うだけでなく、いつも「ありがとうなぁ」と微笑みを絶やさなかった柔和なお姿が瞼から消えません。
さらに、つい「効率化」の誘惑に駆られがちなキリスト教福祉のあり方に、絶えず一石を投じてきた止揚学園のあゆみは、苦難の中でも喜びを多くの方々と分かちあう道から逸れることはありませんでした。泉北ニュータウン教会の初代牧師・土山牧羔牧師とも交わりがあったとも聞き及んでいます。
キリストに根をおろす交わりを耕された福井先生は、それまで「克服すべき」とされた「障碍」を「かけがえのない賜物」として尊ぶ『聖書』の世界を示してやみませんでした。
その実りをさらに分かちあうためにも、世にある「弱さ」を神が祝福されているとの確信に立ち、新しい一週間をともに始めてまいりましょう。みなさまの暮らしにキリストがともにおられますように。