本日の聖書の箇所は『マルコによる福音書』第14章3〜9節。イエスが「重い皮膚病の人シモン」の家に招かれ食卓をともにするという、物語は既に神の癒しを示す場面を前提にしています。
一般には「ナルドの香油を注いだ女性」に焦点が絞られがちですが、実は物語の前提がイエスの愛の癒しに満ちたところの、神の国のモデルとなっていることにわたしたちは気づいているでしょうか。
女性を咎めだてする人々に向かって「貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいる」とのイエスの言葉には、代々の教会、とりわけ現代の教会に向けられた教会の責任が問われています。「わたしのものはわたしのもの」という独占的な考えを超えて、豊かさだけでなく貧しさをも分かち合うという態度が、十字架と復活のキリストを基とした教会には呼びかけられています。それは他ならない『聖書』からです。
2022年も残り三ヶ月となりました。教会総会で決定した通年プログラムの再編等に忙しいわたしたちですが、キリストに根をおろしていることを忘れずに、神の前に正直な態度で日々をあゆみたく存じます。それこそが最大にして無謬の証しであると言えます。
みなさまには新しい一週間、新たな月が、神の祝福にますますあふれますよう祈ります。悲しみに満ちた時も、苦悩に頭を抱える時にも、主なる神はともにおられます。喜びにも痛みにもキリストがともにおられます。互いに祈りあいながら、新しい一週間をあゆみましょう。