暖かな日差しのなか、降誕節第8主日礼拝を献げることができました。天に召された教会員・教会関係者を偲び、ご遺族に慰めと癒しを祈る時を尊びながら、これより年度末のまとめと新年度への備えに向けて祈りをあわせる時を迎えました。
イスラエルの民がバビロン捕囚ののちにエルサレムへと帰還し、ソロモンの神殿よりも小さな神殿を建設し再興を誓ったように、わたしたちも教会の交わりの再構築に留まらず新しい可能性を目指して励んでまいります。
さて、日本社会の代表的な徳目とされる「他人に迷惑をかけないように」とは反対に、イエスに病の癒しを求めて、中風持ちの仲間を戸板に乗せ運んできた男たちは、人垣を乗り越えイエスの滞在する家屋の屋根を引き剥がし仲間を吊り下ろしました。イエスは迷惑を顧みないこの人々を遠ざけるどころか「あなたの罪は赦された」と仰せになりました。「迷惑をかけないように」とのことばは、ときに自己責任論に進展し、さまざまな課題を抱えた人々を抑圧しかねない論調へとつながります。イエス・キリストが「世のすべての迷惑」を分かちあい、十字架を背負ってあゆまれた物語を思い起こしますと、わたしたちはその赦しの姿に隠された神の力を見出すのです。
わたしたちは互いに迷惑をかけあいながら活かされています。その交わりの軸にイエス・キリストは立っておられます。人生の新たな節目を迎えた方々とともに、この一週間もまたキリスト・イエスとともに神の愛に背中を押されてあゆんでまいりましょう。みなさまに主なる神の平安を祈ります。