礼拝を献げた後にさる教会員との語らいでは、人新世(Anthropocene )という時代区分が話題となりました。地球規模の環境変動や生態系をめぐる課題、人類だけでなく全ての生態系を脅かす環境問題にいかに向き合うべきかという問いを、キリスト教倫理の立場から考えるというお話しでした。
牧師はジュラ紀の地球の気温が概ね40℃であったことを踏まえ、現在の気候変動の全てが人類の力の及ぶ圏内ではないことを踏まえながら、マイクロプラスチックやPCB、タンカーの座礁による重油の汚染やプルトニウムを始めとする問題は一重に人類に起因するのであり、したがって人新世とはわたしたちが担うべき世代にわたる全生態系的な課題であると申しました。
しかしそのような混乱の中で、本日の礼拝ではさる一人の少年によって待降節のろうそくがひとつ点灯されました。
その灯りの中に、幾たびも絶滅の危機に晒されながらも、世代を繋いできた人類の希望と、救い主イエス・キリストの訪れを待つとの生活態度を重ねて、あらためて危機の中で神さまに備えられたいのちの希望を確かめ、分かち合うことができました。
イエス・キリストが、世界史的にはローマ皇帝により惹起された混乱の中でお生まれになったことと、今・現代の混乱とを重ねながら、クリスマスの喜びの現代性に思いを馳せます。この事件によりいかなる混乱の中でも人間が人として本来の道筋を踏み外さず将来を開拓する希望を備えられたのは、桁外れに大きな出来事です。不安をもたらす報せに動じることなく、救い主の誕生を喜びつつ目指して黙々と道を耕したく存じます。
みなさまの新しい1週間に、主なる神がともにおられますように。