本日の『聖書』の箇所は『ルカによる福音書』でもよく知られている『放蕩息子の譬え』でした。農場主の父親から遺産の生前贈与を受け旅に出ながらも何の成果も得られなかった弟に対する父親の態度に兄は反発します。一文無しになり帰宅した弟に父親は新しい服を着せ履き物を備え指輪をはめて肥えた子牛を屠って祝宴の席を設けます。しかし兄はそのような父親の態度に立腹したのか宴席への参加を拒否します。
そのような兄に父親は「息子よ、わたしの財産はすべてあなたのものだ。わたしは常にあなたとともにいる」と語りかけます。本当のところ心底悩んでいたのは父親であったことに誰も気づきません。
『聖書』に記される「父なる神」はこの譬え話の中では最も苦しむ存在として描かれます。父なる神の苦しみによって弟と兄は和解にいたるとの伏線を読みとることができます。
古来より今日にいたるまで家族は愛すべきであるとともにあらゆる争いの火種ともなる関係でした。本日の聖書箇所によれば神自らが苦しむことにより愛すべき兄弟の絆が新たにされます。本日の午後には教会に根を下ろす「こひつじこども園」と「放課後等デイサービスこひつじ」の職員研修を行いました。「世のための教会」として神の愛のわざを具体化するための大切な研鑽の時でした。どのような人であれ隣人として愛するモデルをキリストは示しています。その積み重ねとして教会のあゆみをご理解くだされば幸いです。
みなさまの新しい一週間に主なる神がともにおられますよう祈ります。