おかげさまで聖霊降臨節第10主日礼拝を献げることができました。平和聖日礼拝でもあり、神の平和の実現のため、リモート礼拝を執り行い在宅礼拝の交わりを結びあわせる一日となりました。
礼拝の説教では生魚につく寄生虫アニサキスの生態を譬えとして神の創造し給うこの世界の平和を味わいました。アニサキスは本来の宿主であるクジラやイルカの腸内では決して悪さをしませんが、自然の道筋から離れて人体に入りますと拒絶反応を起こして胃や腸を喰い破ってでも逃げようとします。自然の交わりと生態学的循環から疎外されたいのちの苦しみが見受けられるように思います。
アジア・太平洋戦争時には日本に限っても軍民合わせて死者の七割が戦病死または餓死という酷い状況をもたらしました。マラリアやアメーバ赤痢などはその典型でした。敗戦直後の戦災孤児を始め統計にあがらない人々を併せると犠牲者の数は想像を絶します。
神の平和は世界に、いのちの調和をもたらします。わたしたちが自ら神以外の権力におもねって他者を支配しようと試みるならば、その場で人の子イエスは苦しみ悶えておられるのではないでしょうか。十字架でのその姿を凝視して過ちに気づかされ、復活のキリストとともに神の愛を証ししてまいりましょう。アニサキスとて海洋生物の身体をしっかりと支えているかもしれないのですから。
コロナ禍と酷暑の中ではありますが、神の平和の実現のため、ともにあゆんでまいりましょう。みなさまの新しい一週間に神がともにおられますように祈ります。みなさまの健康が支えられ、疲れや病が癒されますように。