東アジア文化圏の暦には十二支なるものがあり、今年の干支は兎となります。兎と聞いて牧師は奄美大島と徳之島のみに生息する絶滅危惧種のアマミノクロウサギを思い出しました。
内地の兎とは異なりアマミノクロウサギは耳が丸く、2メートルほどの巣穴を掘って暮らします。天敵はハブだともいわれますが、同じ巣をハブとアマミノクロウサギが共有しているとの話もあり定かではありません。
むしろ本来ならば繁殖力のあるアマミノクロウサギを絶滅危惧種にまで追い詰めたのはマングース。マングースはハブ退治のために島に放たれたのでしたが、捕食対象としてリスクのあるハブよりもアマミノクロウサギを狙った結果です。人間の目論見は見事に外れ、生態系を破壊するにいたりました。
現在では個体数の回復が試みられてはいるものの、人間が自然界のいのちの連なりを侮ったことでとんだ迷惑を被ってしまったのです。
神が備え給ういのちの連なりへの無頓着さは、自然環境のみならずわたしたちの社会にまで及んでいます。家族間や隣人との関わりをめぐる事件や、人々の群れに巣食う病。いずれにせよ見えざる関係性への侮りが見え隠れします。
しかしそのような時代にあってわたしたちはイエス・キリストに示された神の希望を掲げてあゆみます。コロナ禍や戦争の報せに慄くことなく、いつまで続くものは神の愛であるとの確信を父なる神から絶えずそそがれて、互いに信頼しあえる交わりをはぐくみましょう。いのちの希望に向けて、ホップ、ステップ、ジャンプ!でまいりましょう。
みなさまの新しい一年に、新しい一週間に、神の祝福がますます豊かにありますように祈ります。