春うららかな陽を受けながらおかげさまで復活節第3主日礼拝を献げられました。通常の仕方での礼拝の執行にも少しずつ身体がなじんでまいりました。実に嬉しい限りでした。
本日の礼拝メッセージは「おかれた場所で咲くもまたよし」とのタイトルで『ルカによる福音書』の終盤に復活したイエスが「都にとどまっていなさい」と弟子たちにエルサレムへの逗留の勧める箇所を扱いました。その中で故・シスター渡辺和子さんが遺されたベストセラーの『置かれた場所で咲きなさい』のタイトルの妥当性を考えることとなりました。2012年に出版されベストセラーとなった著書のタイトルは、渡辺和子さんのライフストーリーや生活文脈においては妥当するものの、経済格差や医療・福祉の貧困など混迷を極める10年後の今では再考の余地があるとし、『聖書』の世界で神は定住と同時に解放や旅を促す神でもあったとのメッセージを分かち合いました。逃げ場のない他人のために逃れの場を用意するのも教会の重要な働きであり、その意味では「置かれた場所で無理せずに、キリストに従いなさい」とのメッセージも必要であるとの使信をともにしました。
事実『聖書』のテキストで神の愛の力である聖霊を受けた弟子たちは世界宣教の旅へとあゆみ出します。わたしたちの日常も経年に応じて映る世界が変わってまいります。かけがえのない一瞬一瞬を、神の授け給うタイミングとして感謝しながら受けとめてまいりたく存じます。
みなさまの新しい一週間に神の平和がありますように。