おかげさまで、2024年度の聖霊降臨日礼拝をお献げすることができました。そぼ降る雨の中でしたが、 こひつじこども園・泉北ニュータウン教会の庭には麦の穂が煌めき、今働く神の愛の力である聖霊のわざを象徴するかのようでした。
聖霊降臨節に読まれる『聖書』の箇所は、炎のような舌が弟子たちに留まり各々知らない国の言葉で語り始める様子が絵画にもされて有名です。しかし本日は初代教会にはより深刻であった「食物規定」の問題について触れました。
それは使徒ペトロが幻のなかでユダヤ教の戒律のなかでは穢れているとされたいきものを「屠って食べよ」との神の声とともに見てうろたえるという場面。食をめぐる文化の衝突はデリケートな問題を今でもはらんでいます。
本日はその事例として1930年に台湾で起きた「霧社事件」に触れました。日本統治下で起きた血生臭い事件のきっかけとなったのが結婚式の宴席で日本人巡査に差出された一杯の酒。上代以前の日本のように幼子に穀類を噛ませ容器で発酵させる酒が用いられたため「お前たちの唾など飲めるか」と激怒した巡査は花婿を殴打します。そのような混乱から多くのいのちが奪われていくのですが、現代でもそのようなカルチャーギャップが政治的な意味合いを帯びて争いの種となり得ます。
けれどもイエス・キリストはそのような境界線を越える神の愛を説き、証しを立て、十字架での死ののちに復活されました。人の作ったボーダーラインを越えて神の愛は今も働きます。
教会の交わりもそのような力にあふれています。礼拝では聖餐式を執り行い、礼拝後には交わりの会ももたれ、風船を膨らませてこどももおとなも楽しいひとときを過ごしました。ご尽力くださった教会員一人ひとり、お祈りくださったみなさま一人ひとりにこころより感謝申しあげます。