おかげさまで聖霊降臨節第9主日礼拝をお献げできました。蒸し暑さつのる朝、礼拝の始まりとともに降りはじめた大粒の雨は、頌栄と祝祷とともに止み、新しい一週間も神の御手にあると、『聖書』のメッセージとともに語りかけるようでした。
本日の『聖書』の箇所では、夕方にイエスが弟子たちをガリラヤ湖の岸辺の小舟に乗りこませ、自らは山のなかに姿を消すというショッキングな描写を物語の始まりとします。人の子イエスはひとり山で祈るなか、弟子たちはベトサイダという対岸の街を目指すのですが、逆風に遮られて湖のただなかで恐怖のドン底に叩き落とされます。パニックに陥った弟子は夜明けの朝日とともに姿を現したイエスを幽霊だと見間違うばかり。イエスが舟に乗りこみ「あなたがたに平和があるように」と語るまで安心できませんでした。
福音書では湖畔に暮らす人々には生活に不可欠ながらも常にいのちの危うさに晒される湖に「この世」を重ねます。他方で荒波に揉まれる小さな舟には『創世記』以来「ノアの箱舟物語」とともに救いの場としての「教会」をイメージさせます。しかしそれにしても舟のちっぽけなこと、弟子の無様なことといえば目も当てられません。
困難のなか、そのような交わりのなかで救い主の姿さえ見失ってしまうのが初代教会の交わりでした。波をかぶり風に吹かれ手も足も出ません。その最中に響くのは「主なる神の平和の訪れ」を告げ知らせるイエス・キリストの声でした。
能登半島の被災地に加えて、今日の7月14日にかけて、特に西日本には大雨による災害が相次いでいます。彼の地に救いの手が一刻も早く向かうとともに、被災者の方々・教会に深い慰めと癒し、そして支えが臨みますよう祈ります。どの地にあっても現状を見極める神の知恵と力がありますように。みなさまの新しい一週間に主なる神の祝福が注がれますように。深い苦しみや悲しみを分かちあうイエス・キリストがともにおられます。